ルナ・シューター

 ルナ・シューターを読んだ。林穣治のSF小説だ。いつものように地味なキャラクターで淡々とストーリーが進んでいく。仮想戦記出身の作家は大抵そうだな。この手の作家の面白さはキャラやストーリーではなく、思考実験的なところにあるので、ある意味当然だ。

 この作品でのテーマは、現代の技術レベルで月面を戦場にしたらどうなるかにある。月までの38万キロと言う補給線の長さは地球上ではありえないものであり、しかも、それは空輸しか受け付けないのだ。こんな補給線で大軍を維持することはできはしない。何しろ現地の環境は北アフリカの砂漠と比べても比較にならないほど劣悪なのだから。
 と言うわけで、月面上の軍隊はわずかに300名ほど。補給状況は第2次大戦の日本軍末期もかくやと思われるようなもので、残弾を1弾1弾数えながら戦う最貧っぷりだ。現実を考えれば、それでも大甘な気がするけど。

 さて、月での戦争なので、当然敵が要る。そこで、この作品では、宇宙からの地球侵略物にしてある。しかし、何分、思考実験のテーマが先にあり、地球軍の規模が規定されてします。それでも戦いになるように敵が設定してあるので、敵の方も宇宙の深淵を越えてやってきたにしてはとっても貧弱。なにしろ、やっつけ仕事で間に合わせに作ったとしか思えない液体燃料化学ロケットの月面戦闘機が宇宙人の新兵器として猛威を振るったりするのだから。まぁ、まだ未完の物語なので、敵の正体は謎に包まれていて、現時点では不明だけど。もしかしたら、作者にも不明で、追々明らかになっていくのかも知れない(笑) 。
 結構面白かったので、図書館に新刊が入ったら読もう。
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  by U1_KAZAMA | 2009-02-15 18:35 | 雑談

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